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暖炉の前に毛布に包まれて座っているクオンの傍で立ったままココアを飲んでいたジュリは問いかけた。 「貴方のお家は?」 「・・・ありません。」 「ない?親御さんは?」 「・・・・」 あまり、その事に触れて欲しくない様子のクオンに気付きジュリはそれ以上は聞かなかった。 「じゃぁ、とりあえず今日は此処に泊まって行きなさい。」 「はっ?」 ジュリの突然の発言にクオンは目を丸くした。 「外は雨だし、子供を放置する訳にはいかないもの。」 けろっと言うジュリにクオンはキョーコと同じく調子を狂わされた。 「ママ〜〜〜〜〜〜〜♪」 返答に迷っていたクオンの耳に気の抜けるような明るい声が響いてきた。 パタパタと駆けてくるキョーコにジュリは優しい微笑みを向ける。 「ちゃんと温まってきた?」 「うん!ほら、カミもちゃんとカワカシテもらったよ?」 えへへ〜〜♪っと嬉しそうに誇らしげに母に抱きつくキョーコの後ろでメイドのマリアは楽しそうにキョーコの背中を見つめていた。 「ふふっ、そんなイイ子に素適な報告よ〜?」 「なになに!!」 悪戯っぽく言った母を見上げ、キョーコは目をキラキラさせながら言葉を待った。 「今日は、クオンに泊まって貰う事にしたのよ。」 「ほんとう〜〜〜〜〜〜!?」 「!!」 何だか、泊まることが既に決定事項にされていてクオンは狼狽するのだった。。。 俺は、一体・・・・・・・・これから、どうなるんだ? 人と関わりたくなくて、皆に迷惑を掛けたくなくて・・・・・・・家を出たのに。 やっぱり・・・ 家を出て直ぐに・・・誰にも見つからない場所で・・・ひっそりと命を絶つべきだったのか? 「クオン〜?」 ひょこっと俺の顔を覗き込んだ、小さな女の子。 「あ・・・」 数十分前。 結局、今晩泊まることになった俺は部屋を一つ貸し与えられた。 ただ唖然とするしかなかった俺に・・・目の前のこの子ときたら・・・ 「きょうは、クオンとイッショにねる〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」 っと騒いで凄かった・・・。何なんだ一体・・・ハァー・・・。 母親とメイドで二人ががかりで宥めすかしたのだが・・・仕舞いには泣き出して・・・ 困り果てた二人を見ているのが心苦しいのと面倒なのとで・・・俺が妥協したのだった。 俺が、ベッドに腰を下ろしつつその子を如何したものか?っと悩みながら見つめていると・・・ 彼女は、おずおず・・・っと床にしゃがんで、ベッドの下の方から半分だけ顔を覗かせて、ジィ―――――――――っと俺を見てくるので対応に困った。 「・・・・?」 「クオンはキョーコがキライ?」 真顔で思いもよらない事を口にされ、驚いた。 けれど、俺のした行動を考えれば・・・この子がそう思っても仕方が無いか・・・っと冷静に思う。 「別に・・・嫌い・・・というか・・・」 「じゃぁ、スキ?」 「・・・」 その問いに答えない俺に不満げな表情をする彼女。 ぷぅっとむくれ顔で。 暫し考えた後、俺は覚悟を決めた。 隠していたかった、”コト”………………… それを打ち明ければ・・・きっと・・・向こうから去ってくれる。 この家から追い出してくれる。 気味が悪いと・・・・ 俺は、その子に向かって手招きをした。 すると…彼女は弾かれた様な顔をした後に、酷く嬉しそうな笑顔でベッドの上にあがり俺に近づいてきた。 すかさず、目の前の細い腕を掴み自分に引き寄せた。 「わぁっ!」 驚いて女の子は声をあげた。 暫し、その空間には沈黙がおとずれた………. クオンは閉じた瞼をゆっくりと上げると腕の中で驚きつつも大人しくしているキョーコに声を掛けた。 「今・・・嬉しいと思った?」 「ふぇ?」 ぽかんっとした顔のキョーコとは対照的にクオンは無表情で淡々と言葉を紡いだ。 「クオンがハジメてさわってくれた。ウレシイ!・・・そう思ったでしょ?」 みるみる内にクオンの表情が苦痛に歪む。今にも泣き出しそうな悲しそうな顔で・・・ ・・・が少しの間、固まっていたキョーコは彼の予想外の反応を見せる。 「すごい!!!!」 「・・・・え?」 「クオンはヨウセイさんだから、キョーコのキモチがわかったんだね!!!」 頬を上気させつつ興奮気味に話すキョーコにクオンは何と言葉を掛けるべきか思いつかなかった。 ただ・・・目の前の小さな女の子がとるであろう行動を予想していたクオンは、自分の想像とは180度違うキョーコの反応に無意識に安堵の息をはいたのだ。 なぜなら・・・・今まで、コノ事実を知った人々は・・・自分から距離をとっていたから。 「・・・怖く・・・ないの?」 恐る恐る尋ねるクオン。 「どうして?なにがコワいの〜??」 そう言うと嬉しそうにキョーコは自分からクオンに抱きついた。 ―それは・・・もう・・・最高の笑顔で。 自分がクオンに嫌われているわけでは無いと分ったからかキョーコは遠慮なくクオンに甘えたのだ。 ―初めて出会った瞬間から惹きつけられていたから。 ―触れたくて・・・ ―触って欲しくて・・・ キョーコはウズウズしていたのだ。 けれど、それをしてしまったら・・・目の前の綺麗な少年は自分の目の前から直ぐさまいなくなってしまう様な予感がした。 だから無理強いは、したくなかった。・・・出来なかった。 |
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| 内 容 | ニックネーム/日時 |
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はる太さま |
拍手お返事☆ 2008/10/21 10:21 |
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